経済成长率は徐々に加速し、2016年は7.1%、2017年は7.3%に
ワシントン、2016年4月10日 – 南アジア地域は、坚调な成长を続けるインドが牵引し、国际市场が乱高下する中にあっても着実な成长を続け、2016年は7.1%、2017年は7.3%と、世界で最も高い成长率を维持するだろう、と世界银行が半期に一度発表する「南アジア経済フォーカス」は指摘している。
同报告は、南アジア地域の成长は、世界経済の混乱の影响が限定的である事と、投资の动きが活発化している事から、拡大を続けるであろうと予测する。
ただし、追い风が弱まる気配もみられる。同地域への资本フローは缩小しており、石油输出国からの送金が减少し始めている。燃料価格と食粮価格の下落が长引く可能性は低いものの、低迷が続いている。その结果、全体的な成长率は以前の予测を下回り、最近ではインフレ率が次第に上昇している。
地域全体のペースは、域内で大きな影响力を持つインドによって决まる。インドの成长率は、坚调な民间投资、インフラ支出の伸び、投资环境の向上が期待される上、官民共にレバレッジ解消が进んでいる事に伴い、2016年の7.5%から2017年は7.7%に加速すると予测される。
「南アジアは、他の経済大国の景気低迷から受ける影响が小さい上、原油価格下落、资本フロー、送金などが追い风となり、世界経済が混乱する中でも坚调な成长を维持している。ただし、财政?金融面の脆弱性は解消されていないため、域内各国は、所得创出と财政政策の余地确保による脆弱性解消を図るべきだろう。」と世界银行のアネット?ディクソン副総裁(南アジア地域総局)は述べた。
南アジア地域の财政政策について同报告は、各国政府が财政再建に向けてバランスのとれた道筋を见出す事が必要だと分析する。
「财政政策は、开発に様々な形で影响を与える。财政赤字はマクロ経済の安定性を胁かし、成长のためには设备投资が求められ、公正な社会の构筑には税制や社会支出が重要、といった具合にである。现在の原油安は、南アジア各国の政策担当者にとって、炭素税を导入または拡大するチャンスの到来を意味している。これにより、环境と财政の両面で同时に持続可能性を高めることができるはずだ。」と世界银行のマーティン?ラマ南アジア地域総局チーフ?エコノミストは述べる。
ファクトシート:南アジア域内诸国の大半に成长加速の可能性
南アジア地域の多くの国が、短?中期的な成长加速の可能性を示している。一方、今后のグローバル环境の変化に伴い、国内経済の确実なかじ取りが求められる。
アフガニスタンでは、治安と政治が长い间不安定な状况にあり、公司活动や全体的な内需の足かせになっている。経済成长率は、2015年の1.5%から2016年は1.9%と、わずかな伸びしか见込まれていない。财政状况は引き続き极めて脆弱であり、所得拡大に向けた取り组みと持続的な援助水準が必要となる。治安状况の改善、経済成长の新たな原动力の活用、民间投资のための环境整备が、今后の键となるだろう。
バングラデシュは、6%を上回る成长を持続するだろう。経済指标の多くが安定しており、政府消费と投资の伸び、民间投资の回復、规制?インフラ面の制约の缓和により、成长率は2016年は6.3%と予测され、2017年のさらなる伸びへと続くだろう。だが、政治?贸易?金融といった分野から発生するリスクについて警戒を怠ってはならない。
ブータンの経済活动には弾みがつき、2015年に5.8%であった骋顿笔成长率は2016年に6.7%まで伸びると期待される。この坚调な成长を牵引しているのは、新たな水力発电所への投资、政府消费、歳出である。ブータンは、多额の経常赤字を抱えているが、その半分は水力発电に関するものだ。民间セクター开発と资产の多様化が、ドナーからの资金援助への依存を低减し、高まる若年层失业率を改善するための键となるであろう。
インドの骋顿笔成长率は、农业セクターの回復と公务员の赁金改革の刺激が功を奏し、2015年の7.4%から2016年は7.5%へとわずかな伸びが期待される。だが、主要な改革の导入?実施が遅れれば、投资家の心理に影响を及ぼしかねない。良好な状况に隠れがちだが、都市世帯と农村世帯、内需と外需、官民による设备投资にはそれぞれ相违が内在し、いずれも対応が必要である。
モルディブでは、骋顿笔成长率が2016年の3.5%から2017年は3.9%と小幅に留まるとみられるが、その背景には、主に中国とロシアからの観光客の落ち込みがある。公的债务の水準抑制のためには、财政再建と投资プロジェクトの绞り込みが必要となる。必要とされる技能を备えられず、国内での雇用机会に恵まれない若年层の失业率も悬念材料だ。
2015年の大地震以降、ネパールは他国との贸易が途絶えた事でさらなる打撃を受けた。これにより経済活动は缩小し、2015年に3.4%であった経済成长率は2016年には1.7%に落ち込むと见られる。混乱の中、インフレ率は2桁に膨れ上がり、贫困层?脆弱层の暮らしを直撃する一方、歳入が落ち込み、復兴活动に遅れが生じた。正常化は2016年末になると见られ、2017年には復兴が弾みとなって骋顿笔成长率が5%を上回ると予想される。
パキスタンの成长率は、2015年の5.5%から2016年は4.5%まで落ち込むと予测されるが、2017年には、产业の成长とサービスの伸びに加え、原油安と多额の送金に助けられ、徐々に回復する可能性がある。持続的かつ包摂的な成长がさらに加速するためには、频発する停电、烦雑なビジネス环境、低い金融アクセスといった问题に対し、税制改革やエネルギー改革を推进して対応する必要があるだろう。
スリランカの経済成长は、公共投资の伸びに加え、延期されていた投资が実施される事で、2015年の4.8%から2016年は5.3%に加速すると期待される。だが、世界的な环境が厳しいため、输出や送金の缩小および资本の大幅な流出といった影响があり、その结果、公的债务の拡大、準备金の减少、インフレ率上昇が见られる。対外収支?财政収支の管理が直近の课题となる。
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