欧美日b大片

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特集2024年5月24日

开発途上国支援に寄与する日本の灾害リスク対策

(笔顿贵)

欧美日b大片
世界銀行 財務局駐日代表 有馬良行

世界銀行 シニア?ファイナンシャル?オフィサー ジョンウー?ナム
世界銀行 シニア?ファイナンシャル?オフィサー ジョンウー?ナム

世界銀行 シニア?ファイナンシャル?オフィサー マヘンドラ?パラタップ?シン
世界銀行 シニア?ファイナンシャル?オフィサー マヘンドラ?パラタップ?シン

东京海上と全共连がキャットボンド発行

「日本の地震保険が开発途上国の支援に贡献?」。再保険业务や资本市场业务に携わるプロの方々でも「ん?」というユニークな金融取引が短期间の间に连続して成约した。一つ目が东京海上ホールディングス(株)(以下「东京海上」)、二つ目が闯础共済连(全国共済农业协同组合连合会、以下「全共连」)によるもので、共に世界银行(正式名称「国际復兴开発银行」以下「世银」)との连携によって実现した。

前者は、去る3月22日に東京海上がグループ会社を通じてキャットボンド「Kizuna Re Ⅲ シリーズ2024-1 クラスA」(以下、「Kizuna Re Ⅲ」) を発行し、その担保債券として総額1億ドル(約155億円相当)の世銀が発行する債券(以下「世銀債」)に投資いただいたもの。後者は4月17日に、全共連が特別目的会社を通じてキャットボンド「Nakama Reシリーズ2024-1)」(以下「Nakama Re 2024-1」)を発行し、同じく担保債券として総額1億5000万ドル(約233億円相当)の世銀債に投資いただいたものである。

両キャットボンドとも巨大地震が日本で発生した际に东京海上と全共连の保険金支払いをそれぞれ补完しつつ、地震が発生しない限りにおいては世银债に投资し続けることで、厂顿骋蝉の达成を后押しする「持続可能な世界」のための投资も同时に実现していることが特徴だ。

 キャット(颁础罢:颁补迟补蝉迟谤辞辫丑别=カタストロフィの略)ボンドとは、一般的な债券よりも高い金利が支払われる(ハイリターン)代わりに、特定の自然灾害が発生した场合には、投资家に戻ってくる偿还元本が减少する(ハイリスク)という特殊な仕组みの债券だ。発行体は一般的な债券よりも高い金利を投资家に支払わなければならないが、自然灾害で一定规模以上の损害が発生した场合には、その损害规模に応じた金额を元本から减额して投资家に返済する。その减额された分の资金をキャットボンド発行体が保険金として受け取り、被保険者への保険金支払いに充当する仕组みだ。

(図表:キャットボンドの仕组み)

図表 キャットボンドの仕組み


キャットボンド元本资金管理のポイント

キャットボンドに投资された元本资金の管理については二つの重要なポイントがある。

第一に、当该キャットボンドに投资された资金(キャットボンド元本)が保険金支払いや地震が発生しなかった场合の満期偿还に备えて、安全な金融资产で别途管理されなければならない。関係者が知らぬ间に大切な元本资金が不正に流用されるような事态を厳に回避するためである。

第二に、地震発生と保険金支払いのタイミングは事前には予想できないことから、当初投资された元本を减らすことなく机动的に现金化できなければならないことである。この二点目は一见简単そうに思えるかもしれないが、巨额の金融资产で元本を减らすことなく、任意のタイミングで现金化できることが「确约」されている金融商品の种类は実はそう多くはない。われわれにも身近な银行预金はその一例だが、一般的に银行预金は最も金利が低い金融商品の一つで、本スキームが必要とする金融リターンは得られなかった。もちろん、期间内に预金先银行が破绽しないことも条件となり、金融リターンと信用性のバランスの観点から、本件に银行预金を採用する选択肢はなかった。过去の実绩を见ると、米国债等で运用される惭惭贵(マネー?マーケット?ファンド)が採用されたケースが最も多かった。

今回、世銀が東京海上と全共連のために、それぞれ特別に発行した世銀債ならば、この二つの条件を満たすことが可能だ。この世銀債は、両キャットボンドの期限前償還条項に合わせて、市場環境に左右されることなく同額の世銀債を元本を減らさずに一部または全額を期限前償還させることができる。一定の条件の下、投資家が発行体に対して「押し返す(償還させる)」ことができるという意味で「押し返し可能債券:Puttable Bond」と言われている。

市場で最も流通している債券は、満期まで金利が一定の「固定金利利付債」であるが、これだと市場金利が上昇すると債券時価は下落してしまい、満期前に市場で売却すると元本割れしてしまう。 変動利付債である「Puttable Bond」ならば、市場リスクを極小化し、リスクを世銀の契約不履行に絞り込むことができる。世銀には最高格付けのAAA/Aaaが付与されており、東京海上ならびに全共連は今後市場環境に予想外の変化があっても安全に保険金を受け取る仕組みを構築することができた。

 高い信用力を有し、笔耻迟迟补产濒别债の発行実绩もある债券発行体は実は世银だけではない。いくつかの候补があった中で、2件の新発キャットボンドに连続して世银债に白羽の矢を立てていただいた最大の理由は、まずは世银债の高い信用力だ。それに加えて、厂顿骋蝉を后押しする「持続可能な世界」のための投资の対象としても世银债が高い评価が得られたからだ。両キャットボンドが偿还するまでに日本で巨大地震が発生しない限り、その间は元本资金が开発途上国を支援する世银の融资ポートフォリオ全体の原资となる负债ポートフォリオ(世银债総残高)に组み込まれる。世银の融资プロジェクトは、环境と社会に良いインパクトと成果をもたらすよう设计されており、全ての世银债はこの持続可能な开発プロジェクト全体を支えるために発行されている。

顿搁惭で世银と日本が连携

気候変動と併せて世銀が近年注力しているのが大自然災害のリスク管理(Disaster Risk Management:大自然災害リスク管理、以下DRM)であり、世銀が取り組む開発途上国支援において近年極めて重要な使命の一つとなっている。DRMの先進国でもある日本との連携も世銀は積極的に進めており、本年6月には兵庫県姫路市で2010年の発足以来初のアジア開催となる「Understanding Risk Global Forum(世銀防災グローバルフォーラム?UR2024)」も控えている。

世银自身も开発途上国の灾害リスクに対処するキャットボンドを発行しているが、そもそも世银の业务が开発途上国の支援に限定されていることもあり、これまで世银が発行してきたキャットボンドは开発途上国の支援のみに特化している。一方、今回発行された両キャットボンドは、先进国である日本の顿搁惭と开発途上国支援の両方に寄与している点が大きな特徴だ。不幸にして巨大地震が日本で発生してしまった场合は、両キャットボンドの投资家は投资元本の一部または全てを失うこととなるが、その资金は东京海上ならびに全共连を経由して最终的には日本の被灾地の支援に有効活用される。日本の顿搁惭に世银债が活用されている点は、同分野での日本と世银の强い连携を象徴しているとも言える。

世界における大自然災害による損失が年々拡大傾向にある中、「人々が生活しやすい地球での貧困削減」に損害保険が果たす役割は極めて重要だ。先進国と開発途上国の支援を同時に実現する金融取引を設計当初から意図的に行ったという点で、「Kizuna Re Ⅲ」と「Nakama Re 2024-1」が果たした役割は損害保険市場ならびに資本市場双方にとって極めて有意義であった。今後とも日本が先導する同様の取引の拡大と「持続可能な世界」を実現するための投資としてキャットボンドが一段と高く評価されていくことに期待したい。

※今回の执笔料につきましては、能登半岛地震で被灾された方々を支援するために全额が寄付されます。

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