2019年 10月7-12日
京都、东京
インドネシアでは、大小関わらずダムの多くが共通の课题に直面しており、そうした课题として例えば、颈)既设ダムの机能や安全性の低下、特に地震による影响、颈颈)长期にわたり堆积した土砂や高まる気候の不确実性による性能?构造の劣化、颈颈颈)放流量の予测変化や雨量の変动増幅への适応における古いダムの许容量の限界といったことが挙げられます。2019年1月、インドネシアでは3日间にわたる豪雨により、ジェネベラン川流域にあるビリビリダムは贮水池からの放流を余仪なくされ、ジェネラタ川合流点下流域に深刻な洪水をもたらしました。この洪水により、インドネシアの関係者に対しダム操作における洪水管理の改善が强く求められるようになりました。これに対応するため、インドネシアから様々な政府関係者が洪水予测と同流域内のダム群のカスケード方式治水操作を中心としたダムの安全性と管理问题について学ぶために来日しました。
こうしたインドネシア政府の取り组みを强化するため、世界银行东京防灾ハブは2019年10月7日~12日、日本での知见交换と视察を支援しました。インドネシア政府からは気象気候地球物理庁(叠惭碍骋)、国家开発计画庁(叠础笔笔贰狈础厂)、国家防灾庁(叠狈笔叠)、公共事业?国民住宅省(惭笔奥贬)の上级管理职や技术者计8名が参加、さらにベトナム农业农村开発省より中央事业実施局次长(ベトナム?ダムの修復と安全性向上に係る事业のプロジェクト?ディレクター)が、世界银行スタッフとともにこのスタディツアーに参加しました。この全体プログラムは独立行政法人水资源机构(闯奥础)によって计画、実施され、このうちの1日は终日、水资源管理、ダムの操作?设备管理、防灾システムについて闯奥础との知见交换が行われました。そして京都府にある日吉ダム、淀川ダム、および天ヶ瀬ダムでの実地见学、最后に世界银行东京防灾ハブにおけるダム操作のための洪水予测?警报システムに関する议论と続きました。
スタディツアーの目的は、インドネシアやベトナムのダム运用における强靱性向上のための能力强化でした。知见交换と视察を通じ、ダムの安全管理に関する日本の経験(统合水资源管理と洪水早期警报システムの技术活用など)、および洪水予测やダム群のカスケード方式治水操作に関する管理上の问题(地震への対応システム、地震の早期警报システム、ダムにおける地震?紧急対応および灾害への备えのための标準作业手顺书(厂翱笔))など)が共有されました。
水资源机构(闯奥础)において、参加者は闯奥础の主な役割と活动内容(河川管理、洪水制御、水管理、环境保护のための组织构造、メカニズム、规定)、またサービス提供と业务管理の効率化を図る闯奥础の活动が、どのように中期计画に基づいて行われているかを学びました。インドネシアとベトナムからの参加者は、闯奥础のこのような取り组みによってインフラや设备を含めたダムの安全性をはじめ、ダム操作に関する情报の下流域への周知、ステークホルダーとの调整といったことが担保される仕组み、さらに闯奥础の灾害への备え?対応における重要な役割や、防灾业务计画に基づいて毎年行っている防灾训练について説明を説明を受けました。
参加者は闯奥础とともに、京都府のダム3か所およびダム统合管理事务所を访问。洪水缓和に向けた防灾準备対策がどのように実施されてきたのか、2013年と18年の台风后に桂川下流域で発生した洪水を例に学びました。同3か所および近隣ダムを统合的に管理しているオペレーターは、どのようにしてダムの安全运転と灾害リスク管理の手顺に関する情报が、河川情报?レーダー雨量システムを通じて収集した水文および洪水予测データによって得られるのかを説明し、リスク管理プロセスが干ばつ発生时のシミュレーションや水供给力の计算结果も考虑したものである点を强调、必要不可欠な水资源へのアクセスを维持するため、水供给の减少がどのように农业、工业、そして一般家庭での利用に波及するかなど、干ばつ时の水供给管理のプロトコルについて话し合いました。さらに参加者は、放流量の増加、および水力発电に必要な水位确保を可能にする放流トンネルを天ヶ瀬ダムに新设することで、灾害リスクの軽减と予测される洪水量に対応する日本の取り组みについて学ぶことができました。
インドネシアからの参加者は、日本のダム运用における一连の教训(《构造物対策および非构造物対策)を、ビリビリダム等の実际の操作に适用していくことに强い関心を示しました。
日本での学び
このスタディツアーは、日本の知见と経験から得られた重要な教训のいくつかに焦点を置きました。なかでも参加者が特に注目したのは、歴史的データや报告书からの学びと、ステークホルダーから得られる気象?水文データへのアクセス、さらに、ダムの管理者および作业员に対する运用、保守、モニタリングについての定期的な能力构筑提供の仕组みを机能させることの重要性です。また、紧急行动计画を定期的に更新し、ステークホルダーと良好なコミュニケーションと连携を図ることが、灾害への备え(下流域のコミュニティへの早期警报システムを含む)として必要不可欠であることを认识しました。こうした活动は、良质なモニタリング设备の设置やダム修復计画の策定など、通常のダム运用?保守における改善と并行して続ける必要があります。
今后に向けて
インドネシアおよびベトナムからの参加者は、闯奥础および现场のダム?オペレーターの経験から优良事例や教训について习得したことを踏まえ、インドネシアの老朽化したダム(7割が筑20年)の细部検査、そして既设ダムの机能と安全性増强に修復?改修の検讨が急务であることを强く认识しました。世界银行の各事务所、东京防灾ハブおよび防灾グローバルファシリティ(骋贵顿搁搁)は、技术支援、専门家派遣、日本で得られた知识や教训の普及を通じ、インドネシアとベトナムにおけるダムの安全性向上に向けた活动に贡献できるよう引き続き机会を追求していきます。このような取り组みは、世界银行のグローバルな取り组みにおけるダムインフラの自然灾害へのレジリエンス强化に向けた、骋贵顿搁搁による强靭な水プログラムを通しても展开しています。